建築基準法の基本/道路斜線制限

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建築基準法の基本/道路斜線制限

土地にまつわる基本。設計の際によく関わってくる規制の一つの「道路斜線制限」。家を建てる際にどう関係していくのか見ていきましょう。




道路斜線制限とは


土地探しをする際、隣接する道路幅によって容積が変わってきます。
建物と反対側の道路境界から1:1.25の勾配で引かれる制限斜線を道路斜線制限と言います。斜線が引かれる開始位置の高さは前面道路幅の中心の高さが基準になります。
これは道路に対しての採光や通風などに支障が出ない様に、また周囲に圧迫感を与えない様にという理由で制定されました。

適用される道路斜線の勾配は大きく分けて2種類あります。(住宅地域では1:1.25、商業地域や工業地域では1:1.5)

実際の運用の考え方はこのようになります。










基本的な考え方は上記のようになりますが、まだまだ実はもっと複雑なのです。





異なる適応距離


前項で書いたようにそもそもの目的が採光や通風の確保、圧迫感の排除といことですから、当然その適用範囲をどこまでの距離にするかという事になります。(適用距離というのは道路斜線が開始する地点から水平に建物側に測った距離のこと)









自治体等によって差はありますが、基本的な適応距離というのは用途地域によって変わってきます。



用途地域容積率の限度(V) 適用距離
第一種低層住居専用地域V≦200% 20m
第二種低層住居専用地域200%<V≦300% 25m
第一種中高層住居専用地域300%<V≦400% 25m
第二種中高層住居専用地域400%<V 30m
田園住居地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
400%<V 35m
近隣商業地域
商業地域
V≦400% 20m
400%<V≦600% 25m
600%<V≦800% 30m
800%<V≦1000% 35m
1000%<V≦1100% 40m
1100%<V≦1200% 45m
1200%<V 50m
準工業地域
工業地域
工業専用地域
V≦200% 20m
200%<V≦300% 25m
300%<V≦400% 30m
400%<V 35m
用途地域の指定のない区域 V≦200% 20m
200%<V≦300% 25m
300%<V 30m







複数の制限


道路斜線制限の他に、北側斜線制限や隣地斜線といった複数の制限があります。これらが重なり合う場合が多くあると思いますが、実際の運用ではより厳しい方が採用されるのが基本となっています。








建物を建築する際、非常に多くの規制や制限がかかることがあります。またその規制などが複雑に絡み合います。容積率はもちろんですが、その他の法令も含め実際に土地が有効的に活用されるか、またその土地にどのような建物が建てられるかしっかり調査した上で土地の購入をお勧め致します。




 

どこまで制限がかかる?


最近の住宅では、特に郊外になると暖炉を作る住宅も多くなってきました。近隣との距離もそれなりにありますので、煙などのこともさして問題にならないようです。
暖炉には煙突がつきものですが、基本的には建物と一体化した煙突は高さに含まれません。
また小規模のアンテナなども含まれません。

実際の土地探しでは、100%の希望が叶う土地を見つけるのは容易ではありません。複雑な規制や制限を実際に運用するのは簡単ではありません。
ベストな方法を選択しながら土地を探し、設計デザインをできるように進めてください。





実際に道路斜線制限を上手く取り入れた住宅がこちらです。







 
 


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