土地の形状と選び方

設計デザイナー・建築家と一緒に作るメリット。

土地の形状と選び方




土地形状の種類


家を建てるとき誰もが悩む土地探し。いつも理想的な土地が手に入るとは限りません。
立地はもちろんですが、土地自体についても多くの悩みがあると思います。では実際にどんな土地があるか見ていきましょう。


旗竿地

文字通り旗の形をした土地です。
この形状が変形地としては一番多く見かけるのではないでしょうか。なぜこのような土地ができてくるのかと言いますと、もともとは一つの大きめの土地が、開発により5つや6つに区分けされてしまうのがもっとも多い原因です。
メリットは、価格が比較的安価になる場合が多いことです。デメリットは、周りを近隣の住宅に囲まれて日当たりが悪くなることがあります。また建築基準法では、土地が公道に対して2m以上接していなければなりません。ということは、旗竿の竿の部分が通路になった場合、車などの出入りが多少難しくなります。


狭小地

都心部で非常に多いのがこの狭小地です。もちろん土地取得に多額の費用がかけられるなら問題ないでしょうが、普通はそれほどの費用を用意できないのが現実です。
例えば世田谷区の平均坪単価は250万円です。20坪で5000万円。ここに建築費用などを加えると総費用が1億円くらいになります。世田谷区に100坪くらいの土地を購入できれば良いのでしょうが2億5千万円もの費用が出せる方はあまりいないでしょう。
狭小地を選択するメリットは、予算に応じた土地が入手しやすいということです。また比較的土地価格が高い場所が多いので、資産価値が現時点ではあるということです。比較的富裕層も多いので治安も割と安定しており、教育機関の水準も高めです。
デメリットとしては建ぺい率が50〜60%程度ですので、建築面積がかなり小さくなってしまいます。また実際の建築に関しても、狭いが故に設計・施工も通常のハウスメーカーでは対応できないこともあります。そして資産価値が高い反面、比例して固定資産税なども高くなる傾向にあります。

三角地

分かりやすく言うと、よくガゾリンスタンドなどがある場所です。
この三角地は非常に扱いが難しい土地だと思います。両側を道路に挟まれ背後には別の建物があります。プライバシーの確保はもちろん、騒音の問題や間取りの配置で苦労することが多いです。
そのデメリットもある反面、価格が比較的安価で、またガゾリンスタンド跡地などを再開発し資産価値を高める手法もあります。使い方次第で良くも悪くもなる土地と言えます。

傾斜地

山間部に比較的多い土地です。
使い方によっては非常に優秀な土地になります。斜頸を活かした眺望を作ることができます。実際、別荘やホテル・旅館を建設することも多く、このコロナ禍では過去の遺産と言われた熱海などの古い別荘地が、価格を戻し非常に人気のエリアになっています。
メリットとしては土地価格が安いことが一番に挙げられます。次に素晴らしい眺望を可能にし、採光採風がとても良くなります。また設計できる空間も非常に個性に富んだものが望めます。
デメリットは、まず擁壁などを作る必要があり、傾斜してるが故に基礎工事などの費用も高くなります。またインフラの引き込み工事が必要な場合が多く、場所によっては本管の延長工事も必要になる場合があります。








変形地の資産価値



可能ならば整形地で大きめ土地を手に入れたいですよね。しかし良い土地であればあるほど価格は上がっていきます。場合によっては狭小地や変形地などを選択肢に入れることもあるかと思います。

まずはそもそもなぜ整形地が良いのか、また変形地や旗竿地ではダメなのかを見ていきましょう。

みなさんが整形地を手に入れたい最大に理由は売却を視野に入れたときではないでしょうか。もちろん立地や土地自体のスペックもありますが、同じ条件なら圧倒的に整形地が売却しやすいです。予算に余裕があるならば迷わず整形地を買うことをお勧めします。

しかし売却を視野に入れていないのであれば随分と話が変わってきます。
ずっと住む予定で、売却はよほどのことがない限りないのであれば、積極的に変形地を選択肢に入れてみるのも良いでしょう。その理由がいくつかあります。

まず購入価格が比較的安い傾向にあるということです。限りある予算の中で条件を合わせるなら、この部分でコストダウンの可能性があります。

また固定資産税が低く抑えられる場合があります。 不整形地には陰地割合によって路線価などの評価が低く抑えられ固定資産税や相続税が減額される場合があります。
詳しい計算は専門家に任せるのがベストですが、売却を考えず相続なども考慮に入れると、大事なのは暮らしやすい家を作るということになります。何世代にも渡って暮らせる家づくりを考えることも可能です。








変形地に家を建てる時の注意点


近年、狭小地や旗竿地に家を建てられる方が非常に多いです。問題は税制や住宅ローンも考慮された、暮らしやすく快適な家づくりができるかどうかです。
空間容積を最大限に活かし視野を広げ、周囲を囲まれているにもかかわらず、採光採風が快適な住宅を作らなければいけません。
実は一般の住宅メーカーは、この部分が非常に不得意なところでもあります。
例えば、北側斜線に対しギリギリまで空間を広げると、必然的に屋根が三角形になります。しかし多くの住宅メーカーでは屋根はフラットになります(オプションでは対応可能かも知れませんが)。
フラットになってしまうと当然空間が狭くなりますし、フラットの屋根部分の防水工事やメンテナンスが必要になります。長期間で考えるとどっちが得でしょうか。

また快適な暮らしを実現するために、空間を最大限に活かしたゾーニングや動線を設計することが重要です。
特に採光採風計画は、周囲を他の家に囲まれている場合は気をつけなければなりません。天窓を設置したり風の流れを考えた窓や壁の配置を考慮する必要があります。
従来のハウスメーカーではこういった変形地や狭小住宅のプランニングが得意ではありません。不得意というより対応していない会社も多いのが現状です。
こういった複雑な建築の場合、経験豊富な設計デザイナーならば十分に対応可能です。どんな変形地でも快適な空間設計と暮らしを提案します。むしろこういった難しい場合の方が設計デザイナーはイキイキとして設計を考え提案します。まさに彼らが本領を発揮する場面なのです。
実際に多くの設計デザイナーは、こういった難しい建築を数多く経験しています。
また家自体のメンテナンスなどの長期視点での計画はもちろんですが、ライフプランニングなども振り返りながら家づくりを楽しむようにしたいですね。








 

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