街の一員である住まいに新しい息吹を吹き込むことが、住む人のみならず街を美しく元気にするという信念のもと、あるべき姿について試行錯誤しています。
ティー・ケー・ワークショップ有限会社一級建築士事務所 代表 竹浪 由里
簡単な経歴を
日本大学理工学部の建築学科を卒業しまして、設計事務所で2〜3年アルバイトした後、株式会社鈴木エドワード建築設計事務所に就職しました。
その後、主人が都市計画の会社を立ち上げるタイミングで、一緒に仕事を手伝うことになりました。それから5年後くらいに、出向という形でリフォームの会社に入りました。
当時は、リフォームを仕事として取り組む建築家が少なかったせいか、周りの建築仲間からは驚かれました。設計をするだけではなく、施工計画を立てたり、職人さんを手配したり、売上計算などのすべての業務を自分でこなしました。工事のすべてを把握できるので結構楽しかったですね。ただ、仕事を覚えると、やはりそこは工務店ですので、デザイン性が乏しく物足りない。それで独立を考えるようになりました。
ちょうどそのタイミングで結婚した友人が住みはじめた二世帯住宅を、住み易いように作り直して欲しいと依頼がありました。その時の設計が運良く、国土交通省主催の『第18回すまいのリフォームコンクール』で最優秀賞受賞を受賞しました。
なぜリフォームを?
当時、世間のリフォームは、デザインレベルでは高度なものではなかったように思います。そういう意味では、これからしっかりしたデザインへの要望がさらに多く求められると思いました。
お客様自身も、いま住んでいる家の可能性を理解していない場合が多い。また工務店さんも、施工することがメインの仕事ですから、暮らしやすさといったデザインなどをちゃんと考えて作っているところは稀でした。そこに可能性を感じたのも、リフォームを始めたきっかけの一つですね。
デザイン的特徴は?
以前は、モダンでシンプルなものが多かったのですが、最近は和の要素を取り入れたりしています。予算次第ですが、自然素材を多く取り入れるようにしています。都市部の密集した地域にお住いのお客様には、やはり開放感を感じて頂けるような作りにしています。回遊性を確保したり、風通しをうまく利用して快適性を上げていきます。
例えばこちらですが、もともと家族4人で暮らしていました。息子さん2人が独立したので、これからはご夫婦2人のためにだけに、すべて作り直して欲しいという要望でした。
閉鎖的なキッチンをもっと解放的にして、ご主人の趣味の自転車の手入れをするスペースの確保し、夫婦2人なのでリビングも必要がないとのことでした。全体的に、洗面所、トイレなども通り抜けができる回遊性のある空間で、リビングがない分、それぞれの個室を設けプライバシーを確保しました。
玄関から土間スペースがあり、オリジナルキッチンにそのまま通り抜けられます。スクリーンや建具を利用して、普段はオープンでも閉じればプライベート空間も得られます。床はコルクを使用していますので脚への負担が軽く、暖かいですし耐水性もあります。
大事なことは、要望を確認しつつも、本当に何をすればそのご家族にとって快適で居心地の良い空間を作れるかを、お客様と一緒に共通の理想像を作り上げていくことですね。
お問い合わせの段階では、気兼ねなく聞いて頂ければと思います。
施工に関しては?
以前、業界では有名な工務店に仕事の依頼した際、契約寸前に倒産間際だったことが判明したことがありました。そのときは別の工務店を急遽探し、過去3期の決算書を税理士に精査してもらい、太鼓判をもらって契約し無事に工事を終えました。
それからは、さらに工務店選びを慎重にしていきました。また、現場監督さんの能力や、抱えている職人さんの腕の良さなどを考えますと、どこの工務店でも良いという訳ではありません。お客様側は相見積もりを要望される方が多いですが、金額だけが判断材料になる訳ではないと伝えています。
これからは?
地方のゲストハウスや農家レストランの計画が進んでいます。
これからは今まで通り、都市部の住宅の新築、リフォームのみならず、地方の古民家などの改修や2拠点居住する方の拠点づくりのための活動もしていきたいです。
ティー・ケー・ワークショップ有限会社一級建築士事務所 代表
住所:〒154-0023
東京都世田谷区若林5丁目6番9号 Li Bell(リベル)601
TEL:03-3422-4431
詳しいプロフィール
人懐っこい可愛いワンちゃんと一緒に出迎えてくれました。暖かい日差しがたくさん入るリビングには、ゆったりとした時間が流れていました。農家レストランなどの計画も少し聞かせて頂きました。リフォームを現場サイドからも学んでこられた努力家は、今度はどんなレストランやリフォームを手がけていくのか気になるところです。自然が好きなのでしょう。テラスに置かれた草花が生き生きとしていました。人が活かされるプランを発想していく環境も、こうやって自分の手で作り出していくのでしょう。
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