資金計画①

設計デザイナー・建築家と一緒に作るメリット。

資金計画①




建築費の平均


前回のブログでも言わせて頂きましたが、かなりの方が建築費の相場が把握できていないようです。

住宅金融支援機構の資料によりますと、2018年度の首都圏における注文住宅の延べ床面積125.3平米の工事費は平均総額3,694万円となっています。ということは単純計算で坪単価約97万3千円となるのです。分かりやすく言うと坪単価100万円の工事費用がかかるのです。
お分かりかと思いますが、建売り住宅の工事費用とはまったく違います。そもそも建売り住宅というのは、モジュール化された建材を組み合わせて数多くの住宅を作り出すのです。個々の生活スタイルに対応した注文住宅とは考え方が違うのです。当然、工事自体の内容も違ってきます。もちろん工務店の選別も非常に重要です。
こういったことを考えますと、工事費の平均価格や坪単価というのは、こういったデータを根拠にするべきなのです。

住宅金融支援機構のデータリンク








ライフプランニング


まず建築に使える費用の範囲を調べます。

まずは自己資金。注文住宅を建てられる方の平均自己資金は、2018年度の首都圏では約751万円(住宅金融支援機構調べ:フラット35利用)となっています。
自己資金は多ければ多いほどローンの返済が楽になります。とはいえなかなかすべてを自己資金でという方は少ないのではないでしょうか。
そこでまず必要なのはライフプランニングです。
現在の収入や貯蓄・資産をもとに、今後のライフイベント(出産や子供の成長など)を組み立て、家庭内の収支を計算していきます。簡単なものですが、全銀協のシミュレーションをご紹介します。

シミュレーションはこちら

当たり前のことですが、事業でも家庭の運営でもキャッシュフローが大事です。マイナスにならないように組み立てなければなりません。もし詳しいプランニングをしたいならFPに相談するのが一番です。最近では保険会社でも資格を持っている方も多いですし、フリーのFPも多くいます。
しっかりとしたラフプランを組み立てることで、住宅の建築に使える費用がどのくらいまで可能かわかってきます。
これでローンの借り入れ限度額がわかりましたので、今度は実際に金融機関に相談に行きます。








ローンの組み方


まずはお近くかお付き合いのある金融機関を訪ねてみてください。どの金融機関でも住宅ローン相談は受け付けていますので、気後れせずに行きましょう。
まずはおおまかにローンの種類をご説明致します。


【公的融資】



財形住宅融資

会社員や公務員の方で、財形貯蓄を1年以上で残高が50万円以上ある方が対象です。
勤労者退職金共済機構、共済組合、住宅金融支援機構が取り扱っています。
ただ、会社を通して事業主転貸の融資を利用した場合(勤労者退職金共済機構の取り扱い)、退職した際には一括返済の場合もありますので注意が必要です。

自治体融資

勤務先や住んでいる住所がある自治体が行なっている融資です。
金利などは自治体ごとに設定されているので、それそれ比較するのが良いでしょう。
当たり前のことですが、税金などの滞納がありますと利用できません。










【民間融資】



住宅ローン

民間の金融機関などが取り扱っている融資です。
変動金利と固定金利がの2タイプが主流です。
金融機関ごとに金利設定が違いますので、比較検討が必要です。キャンペーンなどのタイミングで申し込むのも良いかもしれません。
最近では住宅ローンの比較サイトも充実しておりますのでそちらを参考にするのも良いかもしれません。

提携ローン

こちらは建売り住宅を購入される方がメインになると思います。
簡単に言うと、不動産会社と金融機関が提携したローンです。メリットとしては、建物の審査が終わっている場合がほとんどですので、審査期間が短いのが特徴です。また非常に分かりづらいローンの手続きを不動産担当者が代わりに行ってくれるのでとても楽です。金利も場合によっては優遇されることもあります。

フラット35

こちらは長期優良住宅などの性能を確保した住宅に行われる制度です。特徴としては、個人事業主や会社役員、契約社員といった方も審査対象となり、融資が比較的受けやすくなっています。
取扱窓口は金融機関でしたらほとんどの所が扱っていますので、相談してみると良いでしょう。
また借入期間の短いフラット20やもっと長いフラット50などの商品があります。

住宅ローンとつなぎ融資

注文住宅を建築される方で組まれる方が対象となります。一般的に住宅ローンは、建物が完成することを前提として融資が実行されます。しかし注文住宅では、建物完成前に「契約時」「上棟時」「完成時」と3回に分けられて支払いをしなければいけないタイミングがあります。例えば、工事費用が3000万円だった場合、それぞれのタイミングで1000万円を用意しなければなりません。現実としては厳しいものがありますよね。

そこで登場するのが「つなぎ融資」というものです。
単純にいいますと、1回目と2回目の支払いのタイミングでは、別の融資を立ててsの支払いに充てます。3回目の完成時に本来の融資をしてもらい、同時に別で立てた「つなぎ融資」の支払いを完済させます。それで融資も1本化される訳です。もちろん、別立てした融資ですから金利や返済は別途掛かってきます(金融機関によっては金利のみの場合もあります)。ただ借入期間が短いので、それほど負担にはならないと思います。

また土地のローンも組まれる方は、まず最初に土地の融資を受けることになります。もちろん住宅ローと別になりますので、最終的には土地ローンと住宅ローンの2本立てになります。(土地も含めてつなぎ融資で進める場合もあります)。


住宅ローンシミュレーションはこちら







比較検討が重要


住宅ローンの組み方やライフプランニングは非常に重要です。金融機関やWEBからも比較検討が可能ですので、最初から一つに決めてしまわず、多くの選択肢から一番自分に合ったものを選びましょう。

ただ、選択肢の多さに迷ってしまわれる方も多いと思います。そういった場合に備えて、日頃から税理士や保険会社・FPと連携を取っておくことも大切になります。
事業をされている方なら税理士や保険会社さんとはお付き合いがあると思うので、そういった方のアドバイスを聞くのも大事なことです。
なぜかと言いますと、家を作る際にご両親から贈与を受けられる方も多いと思います。一般的に住宅購入に関わる贈与は2,000万円まで非課税となります。そういった税制面のアドバイスも可能なのです。
また、ライフプランが変わってきたり、繰上げ返済や住み替え・売却といったときの相談にも対応してくれます。

無理のない資金計画を立てて、理想の家を手に入れて快適な暮らしを目指しましょう。





 

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