アトリエ 137の鈴木宏幸さんが手がけるた
竣工 引き渡し / G邸
アトリエ137の鈴木宏幸さんが手がけたG邸がついに完成しました。地鎮祭から約7ヵ月を経てできあがった家はどうなっているのか非常に楽しみです。
ついに完成!
(お施主様)
率直に想像より良い家になりました。やはり鈴木さんにお願いして良かったですね。
住宅メーカーの提案は、見て回ったモデルルームを想定していろいろ選んでお願いしたのですが、プランやパースが出てくると結果的にがっくりしてしまうことが多かったのです。その割には金額も結構かかっていました。
今回できあがった家は金額的には少しアップしましたが、内容は格段に良くなったので満足しています。
鈴木さんのご提案も素晴らしくて感謝しています。憧れていた平屋の家に住みという理想を叶えてくれたというか、理想を超えたものを作って頂きました。
建築中の現場には時々きていたのですが、鈴木さんはこちらが気になる部分も、先回りして現場サイドに指示したりして頂いたので有り難かったですね。
これからは中庭や畑で大好きなガーデニングをしながら、明るく楽しくゆったりと暮らしをしていきたいですね。子供たちも外で元気に走り回って楽しく過ごせると思います。
庭造りを楽しむ予定の中庭と畑。
開放的で大きな開口部がリビングに明るい日差しを引き込みます。
新しいキッチンにみなさん興味津々。
振り返って
ーーーーー何点ぐらいの完成度でしょうか?
(鈴木さん)
率直に、まだ外回りが残っているので90点ということにしておきましょう。
大変だったのは設計というよりも、手続き上開発許可を得たりしなければいけなかったのが苦労しました。
着工するまでに確認申請だけではなく、行政上得なければいけない許可などがあり、さらにそこにちょうどコロナ禍ということも重なり、それだけで3ヵ月程度の時間を必要としました。
また打ち合わせなどもZOOMを使ったりと、いつもと違う環境に対応しなければならず大変でしたね。
設計自体は、ご要望や暮らし方などを伺い、イメージした通りのプランができあがりましたので比較的楽でしたね。
真新しいキッチンの使い方の説明を聞く奥様。
ーーーーー今回、初めて組む施工会社さんでしたがどうでしたか?
(鈴木さん)
そうですね、よくやってくれたと思いますし話の理解も早かったです。
初めての会社さんなので、こちらが思っていることと現場側が思っていることにどうしても多少のズレがあります。ただそれはある意味、修正するのは当たり前のことですから、現場でしっかり話し合い調整しました。
設計事務所は結局、作ってもらわないといけませんから、現場でものを確認しながら、また顔を見ながら意思疎通をしていくのが当たり前じゃないかと思います。ただやはり図面を送って電話で話すだけでは難しくて、誰がどうやってお願いするかというのが大事になってきます。そういった人間関係を大事にしないと現場は上手く回りませんね。それを疎かにしてこちらが現場サイドと揉めてしまうと、職人さんも困ってしまいますし、結果として良いものも作れません。当然、お施主様にも迷惑をかけてしまいます。お互いの考えや方向性をしっかりと話し合いながら一つの方向に向かっていくようにしています。
左から玄関、玄関からリビングを見て、リビングから寝室に向かって。
大工さんなどの職人の技術レベルも割と良いものだと思います。自分のポリシーとしては特殊なことはしないことにしていますが、一般的に比べると設計やデザインなどがどうしても特殊なことになってしまいます。
例えば、軒先の納まりだったり建具の枠など、彼らが普段の仕事ではあまりしない手法などに対して理解が早かったですね。それが理解するところから始まったり、難しくて出来ないなんてなってしまうと困ってしまいますね。
そういったことが、設計事務所側に直接情報が上がってくることはほとんどないのですが、職人さんと現場監督の間では時々あるという話を聞きますね。
技術者としては反省もあり満足してはいけないんでしょうが、おおよそ納得できる設計であり施工であったと思います。
軒と床の木の統一感が美しい。
奥様のお父様の時代から使われていた薪ストーブ。
パウダールームに置かれたDURAVITの洗面ボール。
快適なバスライフを送れるガラス張りの浴室。
現場監督の感想
ーーーーーお疲れ様でした。大変でしたか?
(現場監督)
大変でした(笑)。
細かい取り合いや寸法など、また意匠的なところを理解して再現するのに気を遣いましたね。
いつもは会社の仕様に沿った作りの建物で数もこなしていますから、お客様や設計・現場との意思疎通が容易ですが、今回はその一つ一つを確認することが重要でした。
ただ鈴木先生とは頻繁に連絡を取り合い、「分からないことがあったらつまらないことでも良いので聞いて下さい」と言ってもらえましたので気が楽でしたね。
そういう意味では、他の先生方と比べると比較的楽でしたね。まぁそれでも大変ですが。
木製サッシと壁の色の対比が美しい。
(現場監督)
コロナ禍の影響もあって電話などでの確認が多かったですが、どうしても意思疎通が難しい場合は現場で会って話し合いました。
やはり現場を見ながら話すとお互いの理解が早いので助かりました。先生にはかなり現場に来て頂きましたので感謝しています。
他の先生ですとそれほど現場には来られない方が多いですし、またアシスタントの方ですと判断を一回事務所に持ち帰ってからとなったりして、伝えたことが今ひとつ伝わりきっていないこともあります。
特に大変だったのが、この大きなガラス関連の取り合いですね。
普段は窓枠に対して外壁が仕上がるのですが、今回は窓枠がなくそのままガラスが収まっています。
通常、家の工事というのは、外装が終わってから内装の工事になるのですが、床の擦り付けの部分にガラスがはまりますので、床が終わらないとガラスが終わらない。
そういうこともあり窓などが塞がるのが相当後になり、大枠が付いてからガラスの採寸をしたり、建具も付けてからガラスになりますので、ガラスが入りちゃんと窓などが塞がったのが今日の引き渡しの2週間前でした。
といったように、いつもとはまったく違う順序で進行していきました。そういう工程管理などがやはりしんどいというか大変でしたね。外が終わらないとお客様からも終わるの?と思われたりしますので。
苦労したガラスの取り合い部分。
ーーーーー職人さんたちは?
(現場監督)
かなり良く働いてくれたと思います。ただやはり、いつもとは違う仕事なのでストレスを抱えながら仕事をしていましたね。と言いつつも、栃木から来た職人さんたちも、ある意味非常にやりがいも感じながらいつも以上に頑張ってくれたと思います。
職人さんにとってはいつもと違う仕事のため、自分自身が全面的にフォローしなければなりません。会社もいつもと仕様が違いますし、営業も仕事の依頼が違うのでいつも通りの動きができません。
現場監督としては職人さん的確な指示を出し、現場を円滑に進めなければなりません。そういう意味では非常にプレッシャーのかかる仕事ではありました。
ーーーーー自己評価は?
(現場監督)
自分としてはまだまだと思っていますが、先生方やお客様の評価を頂いたことを考えるとそれなりのことはしてきたのかなと思います。
もちろんもっと頑張らないといけませんし、お客様に良い家を引き渡さないと話になりません。そういう意味では、今回はキッチンなどはリブコンテンツさんに設計施工して頂きましたが、メインの工事を自分たちでできたのが良かったです。そこも外部の方が入ってくると非常に難しくなってきますから。
鈴木先生はわりと現場で打ち合わせをしたいという方だったので助かりました。職人さんを交えて細かな打ち合わせを頻繁にして頂いていました。
また先生が材料などを忘れていたりすると、しっかり謝って頂きすぐに手配をされてました。逆にこちらが取り寄せたサンプルが間違っていた時もすぐに謝り手配したりと、お互いそれによってギクシャクするということはなく、むしろ良いコミニュケーションとなっていきました。なかなかそういった先生っていないんですよね。
私も違うことは違うとはっきり言う方なのですが、言った言わないの不毛な争いが起きません。自然と現場の職人も含め良い家を作っていこうという気持ちになっていきました。
旦那様に保証等の説明をしている様子。
(現場監督)
できるできないの相談や代替案を提案してくれたりして頂いたのは助かりました。
こちらが分からないことも納得がいくように丁寧に説明して頂きました。私たちもそうですが、先生方も何十枚も図面書いているので抜けがでることもあります。そうした時に、お互いが良い意味でチェックし合って仕上げていける関係が良いですね。
現場としては抜けがあって見つけて聞いた時に、嫌な顔せず教えてくれる先生ですと、職人たちも萎縮せずのびのびとして働けます。
あいにくの雨の中の引き渡し。そういえば地鎮祭の時も雨でした。しかし木の温もりが暖かく真新しい家は、引き渡しでバタバタする皆さんを落ち着かせて温かい空気に包ませてくれます。今回じっくりと取材させて戴き多くのことを得ることができました。鈴木さんの設計の考え方や方法はもちろんですが、現場監督や職人さんのことや請け負う施工会社のことまで。一般には出せない情報もあります。ご協力頂いた鈴木さんをはじめ、G夫妻とそのご家族、現場監督の加藤さんや大工さん、材木会社の方まで多くの方にこの場を借りて御礼申し上げます。今後も皆さんがより良い建物を、心待ちにされている方々に届けられるようお祈りしています。
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