南千束の家 / 竣工

アトリエスピノザが手がけた

南千束の家 / 竣工

分筆して既存建物を作り替え


アトリエスピノザさんが手掛けた住宅のオープンハウスに伺わせて頂きました。
大きな通りから一本入るとそこは閑静な住宅街で、落ち着いた生活環境と利便性が揃った非常に良い地域です。

敷地には古い既存の建物がありましたが、それを取り壊し新たな住まいを建てることになりました。既存の建物は外観こそ経年劣化が伺えましたが、内部は非常に凝った作りをしていたそうです。

新たに建てられる家には、ご夫婦とお子さんの3名で暮らされます。家族3名で暮らす空間がどうなっているか見学前から非常に楽しみでした。







中に入るとすぐに落ち着いたチーク材の暖かい空間が迎え入れてくれます。
奥に入るとすぐにリビングへとつながり、開けた大空間の吹き抜けとウッドデッキの庭の開放感と心地良さで包まれていきます。非常に贅沢な空間です。

ご主人が好きなフランク・ロイド・ライトの照明も飾られています。またそれぞれの照明もご主人の好みに合わせて選ばれています。

大きな開口部はしっかりとした気密性とデザイン性のある木製サッシを採用しています。











キッチンも使い勝手が良く、大容量のパントリーがキッチンに隣接しており、そこをを通り抜けると玄関に直結しています。
















暖かいチークで囲われたバルコニーはキッチンまで見通せ、見事に空間がリビングと一体化しています。






それぞれの個室の確保とつながり


リビングは大きな空間を占有しつつも、それぞれの個室がお互いのプライベート性と空間の連続性とを兼ね備えています。
子供部屋は、窓を開ければリビングに顔をのぞかせることができ、外壁側の窓の上部は吹き抜けを界して3階の父親の部屋と繋がっています。部屋の広さも十分あり、大人になるにつれて多くの洋服や物が増えても十分対応できます。






プライベートの確保もしっかりと。リビングの吹き抜けに面したカウンターには引き戸を設け、気分に応じて開閉できるようになっています。








2階の廊下から吹き抜け越しにリビングを見おろすことができ、声も通りやすいので常に家族の気配を感じることができます。






隣は奥様の部屋で、大容量のウォークインクローゼットがあります。
専用のデスクもあり、仕事をしても趣味をしても使い勝手が良さそうな部屋です。







ここは同じ2階にあるバスルームです。窓も大きくまた吹き抜けで天井が高くなっており、開放的な作りになっています。











バスルームの隣に位置するトイレには、深いブルー色のタイルが貼られており、また形が凹面になっていて見ていて飽きません。






3階はご主人の夢のエリアです。趣味のNゲージの模型に合わせて部屋の長径を合わせ、窓の外は大きなベランダがあり空間も広く感じます。反対側にはご主人専用のベランダがあります。家族がそれぞれがプライベートを確保しながらも. 吹抜けや窓を通じて しっかりとお互いの気配を感じることができるようになっています。















こちらは「Nゲージ」の外のバルコニー。日当たりが良くBBQでもしたくなりそうです。






こちらはご主人のお部屋にある専用のベランダです。仕事で煮詰まってもすぐに気分転換できます。








厳しい建築事情


昨今の住宅事情をお伺いしました。コロナが蔓延した時期にウッドショックが建築業界を襲いました。慢性的な人材不足に続き、必要不可欠な木材が非常に高騰しました。例えば1枚800円だったコンパネが3000円以上になったこともありました。またそれに加え半導体不足も起きています。そしてようやく終わりの兆しが見えてきたところで起きたのがロシアのウクライナ侵攻です。
木材だけではなくすべての原材料が高騰していきました。

ご依頼頂いている住宅も、仕上げや設備等のグレードダウンだけでは、コストダウンするのがなかなか厳しい状況になっているそうです。昔は2000万円台でも建てられた注文住宅ですが、現在では規模にもよりますが もう少しゆとりをもった予算をたてないと 厳しい状況です。
以前から現場の人件費は上昇していますし、木材はもとより金属などの部材やガラスなども1.5倍くらいになっています。
私たちが扱う住宅設備機器も半導体の問題で一時期入荷ができませんでした。
実際、現場では、発注数に対して半分の数量しか確保できないなどの状況が頻繁しており、引き渡し時期がなかなか確約しづらい状況になっています。

とはいえ、井東さんもそれに応じた造りや効率的なデザインを計画し、コストダウンの提案を可能な限り行っています。
大切なのはお施主様の暮らしを最大限に快適にし、幸せな住環境を過ごせるようにすることです。その努力をすることを厭わないのが井東さんなのです。それはこの住宅をご覧頂ければ分かると思います。










工事規模 敷地面積:126.40㎡ / 建築面積:77.40㎡ / 延床面積:161.26㎡
構造 木造・地上3階建て
竣工時期 2023年1月
予算 -万円
施工会社 株式会社内田産業
用途 住居
設計デザイナー アトリエスピノザ 井東 力
【編集後記】
しばらくぶりの取材で申し訳ございません。久しぶりに取材に出かけてみると新たな発見や現場の情報がしっかり入ってきますのでやはり現場が一番大事だなと改めて思いました。何事も現場やそこに暮らす方々が一番最優先なので、変わらず現場第一主義を貫いていこうと思います。本年もよろしくお願い申し上げます。


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