ラブアーキテクチャーの浅利幸男さんが手がける
羽根木集合住宅-内装工事/Oビル
ラブアーキテクチャーの浅利 幸男さんが手がける、羽根木の集合住宅の内装工事に伺わせて頂きました。ちょうど躯体と内装工事が交差する段階で見応えがありました、案内して頂いたのは前回もお世話になった松崎岳さんです。
雰囲気を纏ってきた建物
駅から5分と歩かないで着く現場。近づいてくると以前とは違い、一際目を惹く建物が現れます。
木製サッシが印象的なこの集合住宅の内装が、どのように工事されているのか非常に興味を惹かれれます。
さっそく中に入って案内して頂きます。
前回はなかったエレベーターも設置されています。また杉板の木目が綺麗に転写されています。
所狭しと設置の出番を待つ造作家具たち。キッチンカウンターの木目が設計の意図通りに仕上がってこなかったので、ここはやり直しを指示しているところです。難しい事ですが、設計事務所、現場監督、職人のイメージ共有は大切です。
内装の重要性
前回の配筋検査では、建物の基礎工事の重要性が確認できました。今回の内装工事では実際に手に触れたり目に見える部分の工事です。この仕上がり次第で建物の評価はガラリと変わります。まさに設計デザイナーの腕の見せどころでもあります。
少し見づらいですが、屋内サッシの上部と縦の写真です。まだ縦の右側の木材が付いていないのが分かるでしょうか?この部分も右側にわずか6mmの隙間を開けて取り付けられます。こういった細部までこだわるからこそ芸術的な住宅が創り出されるのでしょう。
現場監督の藤木さんの指示に従い施工する職人さんたち。
ピンク色の部分は発泡ウレタンによる防火塗装。窓枠から内側に45cmまで吹き付けて建物の安全を守ります。
天井一面に貼る籐のサイズを確認中。
特別に取り寄せたベランダに貼るタイルの目地の具合を打ち合わせています。
オーナー宅部分のバスルームを施工中。快適に過ごせそうな予感がします。
屋上に上がってみます。
屋上の仕上げ作業中。
見晴らしがとても良いです。
浮き上がってしまったタイルの補修工事の様子。
上記の補修工事もですが、どんな現場でも多くの職人の作業が交錯すると、必ずと言っていいほど施工不良が起きます。大事なのは、こういったことをどう改善し完璧な建物に近づけるかということです。
内装工事は基礎工事に比べてやり直し工事も可能です。とはいえ、お施主様に引き渡す段階ではキッチリ仕上げなければいけません。起こった施工不良を見逃さず、設計通りに仕上げることがとても重要なのです。
こだわりを形に
内装工事はもちろんインテリアなどにも言えますが、「実際に使う人のことを考えられているか」が非常に大事なところです。
設計においては、住む人のライフスタイルに合った作りや、収益性に大きく貢献する集合住宅としての流行り廃りに流されない価値が続くデザイン、メンテナンスも考えられた耐久性などを重要視します。
施工においては、設計意図をしっかり把握し、安全で確実な工事をし、起こった不備を見逃さずに対処し、完成度の高い建物を目指さなければなりません。
じつは、手を抜こうと思えば限りなく手を抜けるのが内装工事の怖いところです。
そこをしっかり管理し完成度の高い品質に仕上げるのが、現場監督の腕の見せ所でもあります。
岩本建設の藤木さんは、多くの職人を束ねリーダーシップを発揮しながら、確実な施工を目指すプロとして安心できる仕事ぶりでした。
ピーコンの穴埋めにも特殊な物を使用し、可能な限り腐食なく脱落しないような方法を採用しています。
浅利さんの思い描くデザインが、今回の内装工事によって徐々に形に現れ、さらにどんな芸術性を見せてくれるのか今から完成が楽しみです。
建物内の吹き抜けを見上げて。
最後に平面図を載せておきます。
1階がオーナー宅でエレベーター完備。2階が6部屋の賃貸部分があり、3階は2部屋が賃貸で他の部分はオーナー宅です。そこにまたオーナー宅と繋がる屋上テラスがあります。
京王線代田橋駅から5分ほど歩いた羽根木に作られているオーナー宅を含めた集合住宅。作るのは芸術性の高さで評価が高いラブアーキテクチャーの浅利幸男さん。内装工事の真っ只中にお邪魔させて頂きました。内装工事の現場に伺うのは比較的多いのですが、いつも気になるのが職人さんの動きや言葉使い。こういうところに職人の腕が垣間見れるものなのです。職人さんが生き生きと働くこの現場はとてもやりがいもあるのでしょうね。
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