工務店の選び方

設計デザイナー・建築家と一緒に作るメリット。

工務店の探し方




良い工務店とは


工務店と一口に言っても多種多様です。ここでは設計デザイナーや建築家に依頼する際の施工を中心に営業している工務店について考えていこうと思います。

良い工務店というのは一口でいうと「早い安い美味い」の牛丼家さんではありませんが、「確実な施工」「円滑なコミニュケーション」「安心のアフターケア」に集約されると思います。価格については施工とともに考えていきます。
ではそれぞれどういうことか紐解いてみましょう。








工務店の見極め方


「確実な施工」

依頼する方は、多額のお金を払っているのだからやって当たり前と思われるかもしれませんが、実際はとても難しいことなのです。それを前提に考えて頂けると非常に理解しやすいかもしれません。

以前の取材などでもお伝えしましたが、まず現場を取り仕切る「現場監督」の存在が重要になってきます。
挙げればきりがありませんが、「職人の管理」「設計への理解度」「進捗管理」「予算管理」など非常に多くの能力を必要とし、人間性などの面もポイントになってきます。
現在多くの住宅が建てられていますが、仕上がりの良い建築というのは、必ずと言っていいほど能力の高い現場監督が携わっています。逆に施工不良や欠陥住宅が発生する原因は、いい加減な現場監督が関係している場合がほとんどです。

「コミニュケーション」

建築というのは、かっこいい図面があって腕の良い職人がいれば作れるというものでもありません。
何らかの不具合や疑問点が出てきた場合に、設計者の意図をしっかり理解できる能力が必要です。人の意見にしっかり耳を傾け、理解し応用を利かせる。当たり前のように思われるかもしれませんが、自信があり過ぎる腕の良い人ほど自分の意見ばかりに陥りやすいところです。

「アフターケアと経営方針」

住宅をつくる仕事をする会社というのは世の中に非常に多くあります。そしてそれぞれに方針があります。
基本的に注文住宅をつくる工務店は、ものづくりが好きという特徴があります。逆にものづくりに興味がない工務店がいたら家づくりを任せるのはやめた方が良いかもしれません。
ものづくりが好きな技術集団が仕事をしたら、経年変化していく過去の仕事が気になるはずです。現にそうした工務店は何年点検といった定期チェックを欠かさないだけではなく、予見される不具合も事前に察知してくれます。結果的にメンテナンスも費用が抑えられます。もちろん点検自体には費用がかからない場合が多いです。逆に定期費用を必要としながら、たいしたチェックもせず無意味なメンテナンスを売ろうとする考え方には疑問が残りますね。
それぞれ経営の考え方なのですが、ものをつくる集団であればやはり建物に愛情を持って接して欲しいものですね。








工務店を選択する基準


注文住宅にかかわらず、多くのお施主様が工務店を選択する際、費用を重要視していると思います。
ただ気をつけなければならないのは、重要ですが最重要ではないということです。
予算が決まっているのであればその範囲内で可能な家を建てれば良いのです。予算以上に無理な要求をしてしまうと予算管理に無理が生じてしまいます。
例えば、無理な工程、意味のない設備、意味のない打ち合わせなど、こういった労力を減らせば工務店側も安心して仕事ができます。逆に無駄ばかり多く費用もキツく時間の余裕もないとなると、ミスも発生しやすく突発的な支出が発生しかねません。
もちろん安いに越したことはありませんが、近年は原材料や資材の高騰はもちろん、人件費の高騰といろいろな費用が値上がりしています。ましてや腕の良い職人は値段も高いです。当然といえば当然ですが。
では高い費用をどうやって抑えられるかというと、設計デザイナーの仕事ぶりも大事ですが、現場の対応力も重要になってきます。この部分はこういったことでも対応できる、といった経験値がものをいう提案力がコスト低減に繋がっていきます。

工務店はこれらのことを、見積もりを作成する際に「幅」を持たせて計算していきます。本来、無駄となる幅の金額がある程度の許容範囲で、また仕事ぶりも予想できるならば、工事費用も適正価格となってくるわけです。

基本的に工事費用が極端に安いというのは、単価の安い職人を使っている場合や工程に余裕がない場合もあります。また使用している資材の質が悪い場合もあります。当たり前のことですが、もの作りにおいて無意味に安いというのは危険を含んでいる可能性が高い場合が多いのです。雑な施工になれば完成後の修繕費用などが高くなってくる可能性もあります。
結局、工務店を選択する際のポイントとして、費用は最優先事項ではないのです。







上の図は、ハウスメーカー選びにも応用できるように作りました。
まずしっかりとした計画と目的を明確にした上で、予算管理をしなければなりません。
そしてそれに見合った工務店を選ぶのです。その際に見合う工務店がいなければ、計画が不十分の可能性があります。
逆にこちらが計画に不安を感じているのに、無理に契約を進めようとするなら、その場合も一旦考え直した方が良いかもしれません。
よくダメな営業マンがこちらの都合も考えず、ゴリ押しするようなことがあると聞く機会が時々あります。営業マンはその会社を代表する人です。その人が「正しくない」と感じたらその会社とはお付き合いを止めるのをお勧めします。きっとその直感は正しいでしょうし、後のトラブルの原因ともなりかねないからです。



以前は、小規模工務店といえば「コミニュケーションが悪い」「仕事が雑」「経営が安定しない」といったデメリットがありました。しかし現在では、設計デザイナーと連携をとった良いデザインで、住宅完成保証制度を使い、しっかりとした現場監督のもとの施工ならばまったく問題ありません。またハウスメーカーの下請け仕事ばかりをしているわけではありませんので、しっかりとした職人を抱え、精度の高い施工をしていますので安心です。








信頼する相手を見極める


結局は、優秀な現場監督がいる工務店が良いということになります。問題は優秀な工務店をどうやって探すかということです。お施主様となる一般の方々の情報源は、ポータルサイトや紹介会社の場合がほとんどです。では実際にそういったサイトは現場レベルでチェックしているのでしょうか?
ほとんどの場合、厳しいチェックというのはせいぜい工務店へのヒアリングと建物が出来上がってからの竣工取材が限界でしょう。なぜなら非常に手間がかかるからです。案件ごとに何度も現場に足を運びチェックし評価していく。コスト的にも当然無理な作業です。
ではどうやって良い工務店を選ぶか。一般的に設計デザイナー・建築家は、今までの仕事を通じて腕の良い工務店を何社か抱えています。工事見積もりを依頼する際も通常2〜3社の相見積もりを取って慎重に選んでいきます。
選ぶ基準も価格だけではなく、技術力や得意分野、コミニュケーション力や経営方針までさまざまな要素を考慮していきます。こういったことは現場で常にチェックしている彼らだからこそできるのです。
仮に図面だけ持って自分で工務店を探すことを想像してみてください。価格だけではなく、技術力や相性などいろいろなことが不安になってくると思います。そういったことをカバーできるのが経験豊富な設計デザイナーなのです。





 

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